1950~2024年、田舎生まれの体験記など

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大ケガ事件

 「あつ!」と思った時は遅かった。  僕は、石積の岸壁の上から、潮が引いていたダンべ川に落ちた。高さは、4~5mくらいあったと思う。  まだ小学校に上がる前の頃だったと思うが、1軒隔てた家に住んでいた二つ上のO君と、岸壁 […]

ヤマドリ・キジの目撃と追いかけ

 家から小学校へ通う道は、二通りあった。  一つが山道と呼ばれていたもので、昔から使われており、小山の中に昔からある人道で、家のある集落と小学校のある集落を結んでいた。もう一つは、海岸道で海岸沿いに集落と小学校のある集落 […]

ゴム銃(木製パチンコ)遊び

 ゴム銃は、小鳥などを獲るために使っていた。  まずは、自分用のゴム銃を作ることから始める。山に入っていき、ドングリ(樫の木)の枝、丁度同じくらいの大きさの枝が二つに分かれている部分を、小刀(肥後守)を使って切り出す。そ […]

竹鉄砲遊び(ハゼまけ)

 竹鉄砲は、子供のけんか遊びなどに使っていた。  メダケを切ってきて、筒部分と押し棒部分を作り、木の実や新聞紙を丸めた玉を空気の力で打ち出すのだ。空気が漏れると上手くいかないので、新聞紙は水に濡らしてから丸めていた。そん […]

船上での物々交換

 僕は、T叔父の釣りに同行していた。  その日は、風が強く時化模様であった。そのためか、少し早めに帰るようにしていたと思うが、叔父の船の船着き場に戻る途中だったと思う。  急に、一艘の別の船とすれ違うようになった。昔だか […]

ウベ採りとカズラ島

 僕らは「ウベ」と呼んでいたが、正式名は「ムベ」である。宮中に献上されている伝統的果物とされており、果肉部分は甘くてアケビよりも味が濃いように思う。熟した頃の赤~濃い紫になる皮の色も大変美しい。食べる部分は少ないが貴重品 […]

ポプラの木のセミ

 僕らの家族が住んでいた家——私にとってはタブの傍の家から引っ越した2番目の家であった——は、町営住宅の一つであったが、周囲はポプラの木で囲まれていた。  ポプラは、北海道大学の並木道が有名であるが、何故か長崎県の僕の田 […]

タコ引きその2

 竹竿にタコ糸やテグスを付けて、その先にイイダコ用のテンヤ(錘と一体となった針、エサの替わりに真っ白な磁器を付けられていた)をぶら下げた仕掛けで、岩場や砂地に膝くらいまで入りながら、タコをおびき寄せる釣り方である。夏の終 […]

タコ引き

 辺りは明るくなってきた。もう少しで朝日が顔を出しそうだ。  僕は、タコ引き用のテンヤを砂地に走らせていた。砂地よりも岩礁部や石ころがある場所が、タコの住処が多いとは思うが、岩礁部に近い砂地でもタコが掛かることがある。そ […]

カニ突きその2

 小学校の高学年から中学生頃の夏休みは、カニ突きが恒例行事だった。大人は夜ぼりといって、カンテラを下げて夜の海岸沿いを歩いて、カニを網ですくうかモリで刺していたと思う。子供達は、昼間、海岸沿いを泳ぎながらカニを見つけてモ […]

カニ突き

「おっとびっくり!」  でかいのがハサミを大きく広げているのが見えた。 この場所は、ほとんど毎年カニが入っている場所だ。砂地に大きな岩が埋もれているような場所で、岩と砂地の隙間部分に大きな空洞ができていて、空洞の前の砂地 […]

エビ獲り

 家の近くにタブと呼んでいた汽水の大きな池があった。70m×70mくらいの広さはあったが、深さは、深いところでも1mはなかったと思う。  このタブでは、ハゼ、ウナギ、ボラ、チヌなどが釣れて、子供の遊び場にもなっていたが、 […]

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