建コン協会九州支部の夢アイデア部会活動を支援している関係で、「英彦山1000年植樹プロジェクト」に参加しているが、その夢アイデアの発案者のY.H.さんのお話を聞く機会が多くなっている。
祖母の家の裏山、英彦山の麓の落合地区の屋形原駅の近くの「伝辻と呼ばれている場所の小山」の竹を伐り、ヤマザクラの苗を植えている。
その伝辻の山での思い出をY.H.さんが色々と語ってくれたのが印象に残る。
「頂上付近には、サクラや栗の木があった。栗を拾って祖母宅では売っていたり、田川の市場まで売りに行ったこともあった。・・・」
最初は、道路に面している場所の竹の伐採から初め、現在、3本のかなり大きめの苗を3本植えている。今後も竹伐採と植樹(最初は購入苗木を植えたが、今は拾った種から苗木も育てている)を続けていく予定である。
ある時、その山の頂上付近を探索する機会があった。すると、そこに「数本の栗の老木」、「ヤマザクラの大きな木1本」、「稲荷神社の鳥居と祠」を見つけた。思い出話と合致していたのでとても感動した。「祠」では、Y.H.さんのお母さんなどは、よく遊んでいたとの話も聞いた。
Y.H.さんがお母さんやご自分の記憶から、昔の山の様子をイラストにされた。現在の様子と昔の思い出イラストの様子は、以下のとおりである(Y.H.さん、すみません。使わせてください)。


懐かしい話がとても興味深く、私自信も、このブログなど、「懐かしい話を紹介していて心地良さを感じている」ので、「懐かしさとは何だろう」と少し考えたくなった。
そこで、ネットで検索したところ、以下の本(要約した文献などはネットでも入手可能)と動画が見つかった。
① 本・・・楠見孝編、なつかしさの心理学、心理学叢書、誠信書房
② 動画・・・懐かしさの心理学、https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/277/)
これらの資料を参考にしながら、自分なりに「懐かしさ」について、感想をまとめてみた。
① Y.H.さんは、ヤマザクラを1000年掛けて植えると言われているが、その思いの一部は、「懐かしい思い出を大切にされている」ところから来ていると思われた。
② そこで、「懐かしさ」について少し調べてみると、懐かしい記憶は、以下の機能を有しているとの指摘があるとのこと。
・ポジティブ感情 ・自己肯定感の維持向上 ・社会的絆の強化 ・人生の意味づけ
③ また、以下の指摘もある。
「懐かしさを伴う過去の出来事を想起することが、未来の出来事を想像しプランニング機能向上に寄与する」④ その他、次のような感想を持った。懐かしい場所、懐かしい景観を復活させることは、地域、地域の人々への貢献となる。
⑤ さらに、Y.H.さん提案のプロジェクトに参加することは、Y.H.さんの「こころの時間旅行」の一部に付き合う機会が得られ、自分自身の「こころの時間旅行」への刺激ともなっている。
⑥ 建コン九州夢アイデア部会では、「懐かしさ」をテーマとするプロジェクトとしては、既に「思い出NAVI」がある(こんな普遍的価値もあったのだ)。
⑦ プロジェクトに参加することで、多くの出会い、発見、刺激があり、ポジティブ感情などが得られ、とても良い機会となっている。
「懐かしさ」について、考えておられる方は、既にご存知かもしれないが、参考になればと思い書いてみた。
余談だが、「懐かしさ」の一環として、実家のある「長崎県松浦市福島町の鯛の鼻炭鉱」をロケ地とした、「映画:にあんちゃん」をつい最近見た。今は、「ボタ山」には草木が生え、分かりにくくなっているが、炭鉱の風景、当時の暮らし、兄妹の助け合い、唐津の町の往時の風景などなど、大変懐かしかった。生のサツマイモを齧るなど、私もやっていた。・・・・・etc.
期間限定であれば、ネット上で無料鑑賞できる。